自分を守るための技術
護身術は、書いて字の通り、自分の身を守るための技術の総称になります。そのため、体の使い方によって身を守る方法から、道具を使う方法まで、幅広いものが護身術として扱われます。
私たちは、時として危険に晒されることがあります。それは、暴漢などの人間から危害を加えられるだけではなく、動物や虫からの攻撃、そして自然災害の脅威など、危険の数は非常に多いです。広義の護身術が対象としているのは、暴漢だけではなく、これらその他の危険も含まれます。
ただ、一般的には護身術というと、暴漢などの危険人物から自分を守る技術を指すことが多いです。
護身術は格闘技ではないことに注意
護身術というと、パワーで相手を制圧することをイメージされるかもしれません。そのため、格闘技と護身術を混同されている方も多いでしょう。しかし、護身術は格闘技ではなく、あくまでも自分を守る技術であることに注意してください。
格闘技であれば、相手を倒すところまでを一つの技術としています。しかし、護身術の場合は最低限の攻撃をすることで、身の安全を確保する技術を体系化しています。そう、護身術は暴漢などの撃退を目的としているわけではないのです。
護身術は攻撃をすることもあり、格闘技と似ている部分もあります。ですが、実際のところは別物であると認識しておいてください。
護身術が発展してきた歴史について
武道から生まれ、発展してきた護身術
護身術は、歴史的に武道から派生したと言えます。武道は武器や肉体を有効に使い、相手を打ち負かす技術です。それゆえに、武道のエッセンスの中には、自分の身を守るものがありました。それを抽出して行うようになったのが護身術です。
古武道とも呼ばれる日本の武術は、その発端が室町時代にあると言われています。そのため、護身術の元祖をたどっていくと、室町時代にまで遡ることができるのです。
この古武道が徐々に発展していき、室町時代には柔術などの護身術の基本となる体系の武術を生み出します。
明治維新以降に馴染みのある護身術が体系化する
明治維新によって西洋の文化が入ってくるに連れて、武道の面でも西洋の風が取り入れられるようになります。
それに、過去から伝えられていた武術ではなく、新しい武術が発展していくキッカケにもなりました。
その後、明治時代には柔道、昭和には合気道など、今の護身術の代名詞とも言えるようなものが体系化されます。そして、これらの武術が競技として発展するとともに、護身術としても発展するようになりました。
このように、護身術の発端はかなり昔にあり、それを受け継いで生まれてきた歴史があるのです。
現代の護身術について
様々な道具や器具を使った護身術へ進化
最近の護身術は非常に進化しています。なぜならば、単純に自分の肉体だけを使うのではなく、様々な道具や器具を用いるようになっているからです。
代表的な例は、刺股(さすまた)を使ったり、催涙スプレーを使ったりする護身術です。自分の体一つで暴漢を回避するだけが護身術ではなく、これらのアイテムを有効に使う技術も護身術になります。
このような点から、過去の歴史から見て、現代の護身術は単に自分の身一つで暴漢を対処するだけではなく、便利なアイテムを使って危険から身を遠ざけるように合理的に進化しました。
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海外の護身術の技法も取り入れられている
現代は様々な情報が国内だけではなく、国外からも流入してきます。それは護身術においても同じです。そのため、現代の護身術は国内の技術以外にも、海外系の武術のメソッドを用いた護身術も取り入れられています。
海外のもので代表的なものというと、クラヴ・マガといったイスラエルで生まれた技法や、女性護身術のような相手の心理面を読むことにも重点を置いた技法などです。これらの護身術はまだ日本では十分な普及はされていませんが、これから広がりを見せる可能性を秘めています。
以上のように、日本国内の古典的な護身術だけではなく、様々な器具や海外の情報、護身術技法などが多く流入してきているのが現代の護身術でしょう。そしてこれらがミックスされることもあるのも特徴です。
まとめ
護身術は、とても歴史が深いとともに、今現在でも発展と進化をしている技術です。今回紹介した基礎知識を踏まえた上で、実際に護身術に取り組んでみてください。そうすることで、より護身術が身近になり、自分にその技術や知識が入ってくるのを容易にしてくれるでしょう。