基礎知識

日常生活における護身術の心構え

リスクを考えて行動する 護身術の大前提として、危険が起こるようなことを回避しておくことが大切です。これは、常日頃からリスクを考えて行動をすることが重要になってきます。つまり、自分自身にリスクマネジメントを行うこととも言えます。 リスクを考えることを具体的に言えば、危険なことが起こりそうな場所には行かないとか、自分が行おうとしていることにはどのようなリスクがあるのかなどです。また、危険なことが起こればどのような行動を取るべきなのかなど、十分にシミュレーションをしておくことも良いです。 瞬時の動作ができるように体を鍛えておく 護身術は危険回避のための体系的手法です。それを行うためには、護身術を頭で理解するだけではなく、それを実行できるだけの肉体になっておくことも大切です。 もしも急に何者かに襲われた場合、理論的に護身術を知っていても体がついていかないことも起こります。そのような危険がないようにするためにも、瞬時の動作ができるように体を鍛えておきましょう。 護身術は、最終的に危険から逃げることを目的としています。ですので、日頃の鍛錬の一つとして、ランニングなど足腰を鍛えることもお勧めです。 襲われてしまった時の心構えについて 戦うのではなく逃げることを第一に考える 時として、急に襲われることが起こり得る可能性は十分にあります。そのような状況になった場合、一定の心構えをしておかなければ、適切に自分の身を守ることはできません。その時の心構えの一つとして、戦うのではなく逃げることを第一に考えて行動することが挙げられます。 護身術は、自分の身を守る手段です。その手段の中では、戦うよりも逃げることの方がかなり安全性が高いです。また、護身術で使う攻撃も、基本的には逃げられる隙を作れるような方法です。そのため、襲われた場合は好戦的にはならず、恥とは思わずに逃げることを心得ておいてください。 無理に戦いを挑むと、自分が傷つくリスクはもちろん、相手を傷つけるリスクも出てきます。 人の力を借りられる行動を取るようにしよう 先述したように、護身術は自分の身を守ることを最優先に考える技法です。 もしも、襲われてしまった場合は、自分だけの力で解決をしようとせず、人の力を借りられるようにしましょう。 人通りの少ない場所でも、大声で叫ぶと誰かが気付いてくれるかもしれません。誰かが気付いてくれれば、警察を呼んでくれるなど、第三者が危険な状況への対処をしてくれる可能性が高くなります。また、このような人の力が借りられるようにする手段として、防犯ブザーなどを日頃から携帯しておくことも良い心構えです。 襲われたならば、自分だけでその状況を回避しようとするのは危険です。できる限り、多くの人に危険な状況を気付いてもらうようにしてください。 このように、まずは護身術の基礎を知っておくことが大切です。こちらの記事もぜひお読み下さいね。 護身術について知ろう!基礎知識編 精神を訓練する方法をご紹介 呼吸法によって精神を落ち着ける 襲われるような危険をした時には、パニックになってしまいます。そうなると、せっかく覚えた護身術も十分に使えません。ですので、精神の訓練は行っておくべきです。 精神を訓練する上では、リラックスし、どのような場合でも落ち着いた心を維持できるようになると良いです。そしてそうなる一つの方法として、呼吸法があります。 呼吸法には多くの流派や方法がありますが、腹式呼吸を意識してゆっくりと吸って吐くことが基本です。特に吐く息をよりゆっくりとすることで、副交感神経の働きを高めて精神の落ち着きを高めます。 座禅を行うのも良い 精神の訓練の代名詞のような方法であるのが、座禅です。座禅は心を無にして、何も考えないようにする心の訓練法になります。 座禅は禅寺などで行うと、本格的に訓練することができます。しかし、禅寺に行くことができないとか、そこまでの余裕が無い場合は、自宅でも行うことが可能です。できるだけ静かな環境を用意し、結跏趺坐と呼ばれる胡座をかくような足の組み方をして座ります。そして数十分から1時間程、何も思考をせずに座るだけです。 ただこれを行うだけで精神を訓練することが可能なので、とてもおすすめの方法です。 まとめ 護身術は技術や知識だけではなく、そもそもの心構えがとても大切であることがわかりました。そのため、まず自分の心、内面から整えるようにしましょう。そうすれば、急に襲われた時にも、身を守る上で適切な判断を下すことができます。

護身術とは何か?

自分を守るための技術 護身術は、書いて字の通り、自分の身を守るための技術の総称になります。そのため、体の使い方によって身を守る方法から、道具を使う方法まで、幅広いものが護身術として扱われます。 私たちは、時として危険に晒されることがあります。それは、暴漢などの人間から危害を加えられるだけではなく、動物や虫からの攻撃、そして自然災害の脅威など、危険の数は非常に多いです。広義の護身術が対象としているのは、暴漢だけではなく、これらその他の危険も含まれます。 ただ、一般的には護身術というと、暴漢などの危険人物から自分を守る技術を指すことが多いです。 護身術は格闘技ではないことに注意 護身術というと、パワーで相手を制圧することをイメージされるかもしれません。そのため、格闘技と護身術を混同されている方も多いでしょう。しかし、護身術は格闘技ではなく、あくまでも自分を守る技術であることに注意してください。 格闘技であれば、相手を倒すところまでを一つの技術としています。しかし、護身術の場合は最低限の攻撃をすることで、身の安全を確保する技術を体系化しています。そう、護身術は暴漢などの撃退を目的としているわけではないのです。 護身術は攻撃をすることもあり、格闘技と似ている部分もあります。ですが、実際のところは別物であると認識しておいてください。 護身術が発展してきた歴史について 武道から生まれ、発展してきた護身術 護身術は、歴史的に武道から派生したと言えます。武道は武器や肉体を有効に使い、相手を打ち負かす技術です。それゆえに、武道のエッセンスの中には、自分の身を守るものがありました。それを抽出して行うようになったのが護身術です。 古武道とも呼ばれる日本の武術は、その発端が室町時代にあると言われています。そのため、護身術の元祖をたどっていくと、室町時代にまで遡ることができるのです。 この古武道が徐々に発展していき、室町時代には柔術などの護身術の基本となる体系の武術を生み出します。 明治維新以降に馴染みのある護身術が体系化する 明治維新によって西洋の文化が入ってくるに連れて、武道の面でも西洋の風が取り入れられるようになります。 それに、過去から伝えられていた武術ではなく、新しい武術が発展していくキッカケにもなりました。 その後、明治時代には柔道、昭和には合気道など、今の護身術の代名詞とも言えるようなものが体系化されます。そして、これらの武術が競技として発展するとともに、護身術としても発展するようになりました。 このように、護身術の発端はかなり昔にあり、それを受け継いで生まれてきた歴史があるのです。 現代の護身術について 様々な道具や器具を使った護身術へ進化 最近の護身術は非常に進化しています。なぜならば、単純に自分の肉体だけを使うのではなく、様々な道具や器具を用いるようになっているからです。 代表的な例は、刺股(さすまた)を使ったり、催涙スプレーを使ったりする護身術です。自分の体一つで暴漢を回避するだけが護身術ではなく、これらのアイテムを有効に使う技術も護身術になります。 このような点から、過去の歴史から見て、現代の護身術は単に自分の身一つで暴漢を対処するだけではなく、便利なアイテムを使って危険から身を遠ざけるように合理的に進化しました。 持っておくと安心な現代のさまざまなグッズについては、こちらをご参照ください。 →持っておくと安心な護身用品 海外の護身術の技法も取り入れられている 現代は様々な情報が国内だけではなく、国外からも流入してきます。それは護身術においても同じです。そのため、現代の護身術は国内の技術以外にも、海外系の武術のメソッドを用いた護身術も取り入れられています。 海外のもので代表的なものというと、クラヴ・マガといったイスラエルで生まれた技法や、女性護身術のような相手の心理面を読むことにも重点を置いた技法などです。これらの護身術はまだ日本では十分な普及はされていませんが、これから広がりを見せる可能性を秘めています。 以上のように、日本国内の古典的な護身術だけではなく、様々な器具や海外の情報、護身術技法などが多く流入してきているのが現代の護身術でしょう。そしてこれらがミックスされることもあるのも特徴です。 まとめ 護身術は、とても歴史が深いとともに、今現在でも発展と進化をしている技術です。今回紹介した基礎知識を踏まえた上で、実際に護身術に取り組んでみてください。そうすることで、より護身術が身近になり、自分にその技術や知識が入ってくるのを容易にしてくれるでしょう。